ヤングケアラー支援の輪を広げよう 若者たちが人生や夢をあきらめないために

2014年7月26日 07時50分 | カテゴリー: 活動報告

  右は市橋あや子区議

ケアラー支援フォーラム2014「ヤングケアラー支援の輪を広げよう~若者たちが人生や夢をあきらめないために」に足を運びました。

 「ケアラー」とは介護、看病、療育、世話、心や身体が不調の家族への気遣いなどケアの必要な家族や近親者・友人・知人などを無償でケアする人すべてをあらわす言葉です。相手が認知症だったり、障がいがあったり、若かったり、事故の後遺症だったり、遠くに住んでいたり、いろいろなケースがありますが、その大変さは変わりません。

 主催した「日本ケアラー連盟」は、ケアラーの抱える問題を明らかにし、解決をめざして応援する活動を重ねています。今回取り上げたのは10代、20代の「ヤングケアラー」で、若いがゆえに抱えている共通の問題があります。

 シンポジストの井出大喜さんは29歳。高校1年、16歳のときに50代だった父が倒れ、半身マヒと認知症に。亡くなるまでの8年間母とともに介護をしました。夜の徘徊が始まり寝不足が続いても友達にわかってもらえないと思い、そのつらさを打ち明けることはできなかったと言います。

 介護保険サービスの対象になることも知らないまま3年間介護を続け、大学時代も介護に明け暮れ、サークル活動もせず家に直帰する毎日で、大学を卒業してからも介護が続きました。いつか終わる介護の後の進路の相談に乗ってくれる人はいなかったそうです。行政書士の資格をとり事務所を開設した年に父が亡くなり介護は終わりました。井出さんはこの経験をもとに、ヤングケアラー支援を訴えて草加市議会議員選挙に立候補し当選しました。

 「若者介護を『よく頑張った』『大変だったのに偉い』という美談で終わらせないために、社会の問題として捉えてしくみを整えて行くこと。当事者は自ら明らかにしたくない気持ちが働くので簡単ではないけれど、データを集め、実態把握をすること、類型別に捉えることが必要」と井出さんは言います。

 英国の国勢調査によればヤングケアラーは18才未満の子どもの2%で、学校でヤングケアラーを見つけてもらう啓発活動に力を入れています。授業に遅れたり、宿題をしてこなかったりする子の理由や家での出来事を聞きとることができれば、支援につながります。

 今の福祉制度は当事者から申請がされない限り公的な支援の手は届かないしくみなので、最後に紹介された「理不尽な理由でつらく悲しい思いをしている人はいないか」という問いに応えるために設置された千葉県中核地域生活支援センターの基本理念が心に残りました。

 ヤングケアラーは自分の置かれている状態が理不尽と捉えることができない「客観的に見て支援が必要なのに、それに気づいていない人」「自分の中で問題が整理されていないため、生活困窮を相手にわかる形で伝えることができない人」です。これらヤングケアラーが自ら生活を整えて行く力をつけ、健全に自分らしく生きていくことができる社会にするのが福祉のこれからあるべき方向なのだと思います。