地域の暮らしに生かしたい 憲法25条に規定された基本的人権

2014年5月27日 06時34分 | カテゴリー: 活動報告

 

つかはら彩子を囲んで 左から都議・小松久子、区議・そね文子、市橋綾子

安倍政権のもとで憲法の解釈がゆがめられようとしている昨今ですが、53日の憲法記念日に開かれた稲葉剛氏の講演会は、生活保護から貧困と憲法を考えるという、重い意味のある企画でした。

稲葉剛さんは20年前から路上生活者の支援活動に力を注ぎ、2001年<自立生活サポートセンター・もやい>を湯浅誠さんと設立。生活困窮者への相談や幅広い支援活動に取り組んでいます。貧困問題の専門家として知られる湯浅誠さんは、私が関わっていた市民団体<憲法ひろば・すぎなみ>で講師としてお招きしたことがあります。

貧困問題の最前線で活動している稲葉さんが、日本国憲法の第25条 ①すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する ②国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない に照らしデータを駆使して語る現状は深刻です。

2012年、芸能人の親族による生活保護受給報道が引き金になって「生活保護バッシング」が吹き荒れ、「最後のセ-フティネット」であるはずの生活保護制度の基準が段階的に切り下げられることになりました。親族の扶養義務も強化された結果、生活に困っている多くの人たち、シングルマザーや子どもたちの暮らしに打撃を与えています。

「自分の意志で生活保護を受給しているわけではないのに、奨学金返済のためバイトにあけくれ、成績の上位をキープしなくてはいけない、そのうえ親を養えといわれる苦しさをわかってほしい」と心情を吐露した被保護世帯の高校生のメールが紹介されました。

厚生労働省は「貧困の連鎖の防止」をめざして、生活保護世帯の子どもに対する教育支援に力を入れています。けれど親族の扶養義務が強化されれば、子どもたちは独立した後も、高齢になった親の扶養という重荷を背負うことになってしまう。

裕福な家庭に育った子どもには免除され、生活保護世帯の子どもには親が亡くなるまで課せられる親の扶養義務。また、障がい者や引きこもりの若者の自立も阻害する。

杉並区における基準改正の影響について区議会議員のそね文子が予算特別委員会で質問しています(詳細はこちら)。それによると、約250人の子どもが就学援助を受けられなくなるといい、区は独自の教育支援策を打ち出しました。評価すべき取組みだと思いますが、この施策に対し「子どもを甘やかすな」という批判が他の議員から出ていたのには驚きました。

杉並でこそ、基本的人権を定めた憲法25条の理念を生かし子どもの貧困に取り組むべきだと思います。